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WBSとは?WBSの重要性と作り方についてわかりやすく解説!

プロジェクトに必要な作業(Work)を分解(Breakdown)構造化(Structure)する「WBS」。WBSはプロジェクト管理を効率化する有効な手法です。

今回は、WBSの重要性と作り方について、具体例を交えてわかりやすく解説します。プロジェクトを成功に導きたいプロジェクトマネージャーやチームメンバーの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

WBS(作業分解構造図)とは

はじめにWBSの意味、目的、種類について確認します。

WBSの意味と目的

WBSとは、Work Breakdown Structureの頭文字をとった略語で、プロジェクト管理に役立つツールの1つです。日本語に直訳すると「作業分解構造図」となります。

WBSの主な目的は、プロジェクト管理を効率化させること。WBSによって、プロジェクト達成に必要な親タスクを小さなタスク(子タスク)にまで分解できるため、必要なタスクを可視化できるのです。

例えば、チャーハンを作る場合を例に挙げてみましょう。作業工程をおおざっぱに分けると、「食材を切る」「食材を炒める」「ご飯と食材をあわせて味付けする」といったタスクに分けられます。さらに細分化していくと、「食材を調達する」「ご飯を炊く」「必要な調味料を用意する」といったタスクを洗い出せます。

このように目的を達成するために必要なタスクを洗い出すことで、全体の作業を効率的に管理することがWBSの主な目的なのです。細分化したタスクに、担当者や締切を設定することで、スケジュールを効率的に管理することが可能となります。作業の抜けや作業漏れを見つけ出すのにも役立つのです。

WBSの種類

WBSには、「プロセス型WBS」「成果物型WBS」の2種類が存在します。両者の違いを確認しましょう。

プロセス型WBSは、成果物が不透明なプロジェクトに活用される手法です。従業員の満足度向上、離職率の低下といった比較的成果がわかりにくい中長期的なプロジェクトに向いています。プロジェクトの階層やタスクを基準に構造化できるため、「各タスクの関係性」「階層別の進捗状況」などを把握するのにも効果的です。

一方の、成果物型WBSは、最終的な成果物・納品物を基準にする手法です。ソフトウェアの開発といった成果物が明確なプロジェクトや短期プロジェクトに向いています。成果物(プロジェクト)の完成から逆算してタスクを分解・分類して構造化するため、費用感をつかみやすく必要なリソースを計算しやすい点がメリットです。

WBSがプロジェクト管理を効率化する理由

WBSがプロジェクト管理を効率化する理由がこちらです。

  • 必須作業が明確になる
  • 適切な人員配置を実現できる
  • 作業の抜けや漏れを防止できるか
  • 進捗状況を把握しやすくなる

品質の高い成果物を納品するためには、適切な人員配置が欠かせません。また、納期を守るためには、進捗状況を把握する必要があります。予算内にプロジェクトを完了するためにも、タスクの抜けや漏れを極力失くす必要があるでしょう。

WBSを活用することで、上記のタスクを効率的に進行できるようになります。結果的に、プロジェクト管理が効率化されるでしょう。

ガントチャートとの違い

ガントチャートとは、作業、締切、進捗状況などを記載したスケジュール表のこと。縦軸に「工程」横軸に「時間」を記載します。

さらに棒グラフを活用することで、作業ごとの進捗状況を一目で確認できるのが最大のメリットです。ガントチャートの目的は、タスクごとのスケジュールを可視化することになります。

WBSは、細分化したタスクを一覧で示すことで作業全体を効率化するツールですから、目的が異なります。WBSで細分化したリストをもとにガントチャートを作成。ガントチャートで各タスクを管理していくといったように、WBSとガントチャートは併用して活用するのがよいでしょう。詳しいやり方は後述します。

WBSの作り方

WBSは、以下の4ステップによって作成できます。

1.プロジェクトの成果物や目的を明確にする

まずはプロジェクトの目的を明確にしましょう。目的とは、自社が最終的に成し遂げたい事柄のこと。本プロジェクトによって、何を達成して何を得たいのか、予算、時間、人員などの制約に配慮して、実現可能な目的を設定しましょう。

万が一、目的が不明瞭のままプロジェクトをスタートさせてしまうと、WBSのメリットが生きません。余計なタスクを設定したり重要なタスクが抜けてしまったりするからです。

2.成果物や目的から逆算して必要なタスクを洗い出す

続いて、設定した成果物や目的から逆算して必要なタスクを洗い出します。作業時間がかかるタスクや工程が複雑なタスクからリストアップする方が効率的です。

リストアップする方法に決まりはありません。紙ベースでもアプリでも構いません。ただし、作業漏れや重複がないかチェックできるように、一覧表を作成して見やすく表示することをおすすめします。

例えば、ソフトウェア開発の場合は、要件定義、設計、実装、テストといった項目が親タスク、定義書の作成やクライアントへのヒアリングといった項目が子タスクとなります。

細分化する際は、最小の作業内容が、数時間から数日で完了するように配慮しましょう。細分化し過ぎると、優先順位をつける作業が大変になります。

3.タスクに優先順位をつける構造化する

タスクを洗い出したあとは、それぞれに優先順位をつけていきます。具体的な流れがこちらです。

  1. 洗い出したタスクを分類・整理する
  2. 優先順位の高いタスクと低いタスクに分ける

洗い出したタスクを分類・整理する際は、タスクの作業時間や工数に注目しましょう。同じようなタスクを集めることで、ツリー構造にした場合にわかりやすい構造につながります。

また、タスク同士の関係性にも注目が必要です。クライアントへのヒアリングより前に、ソフトウェアの要件定義は決められないように、優先順位をつける際は「並行して作業できるのか」「順番に作業すべきなのか」に注目することで、正しい順位づけにつながります。

タスクを構造化して担当者を割り当てる

ここまでの段階で、関連性の高いタスクの集まりができていることでしょう。

さらに、親タスクの下に子タスクがくるように構造化して、各タスクをツリー構造にすることで、よりわかりやすい一覧表を作成できます。一覧表を作成できたら、各タスクに担当者を割り振っていきます。担当者を割り振ることで、誰がそのタスクを担当しているか責任の所在を明確にできるのです。

WBSを有効活用するポイント

WBSを有効活用するポイントもチェックしましょう。

ガントチャートと併用する

WBSは、ガントチャートと併用することでその効果を最大化できます。なぜなら、WBSとガントチャートを併用することで、プロジェクト完了に必要なタスクを漏れなく管理できるようになるからです。

やり方は、WBSによって細分化したタスクをそれぞれガントチャートの縦軸に設定します。このとき、担当者名を記入すると不具合が起きた際に対応しやすくなるでしょう。また、開始日や終了日を縦軸に設定すれば、全体の進捗状況を早くするのに役立ちます。

続いて、横軸に時間を設定することで、どのタスクがどのくらい進行しているのかを一目で確認できるようになります。なお、横軸に、日にち、達成度(%)などを設定することも可能です。管理しやすい方法を選びましょう。

マインドマップやテンプレートを活用する

WBSでは、プロジェクト達成に必要なタスクを細分化していくと述べましたが、頭の中でタスクを考えて、列挙していくことは大変な作業です。人間の脳の処理能力には限界があります。そこで活用したいのがマインドマップです。

マインドマップとは、情報を整理するための手法。頭の中の情報を紙に書き出すことで、無理に記憶する必要がなくなり、タスクを一目で可視化できるようになります。具体的なやり方がこちらです。

  1. 無地の紙を用意する
  2. 紙の真ん中に目的(主題)を記入する
  3. 主題から放射線状に広がるように親タスクを記入する
  4. 親タスクから細分化した子タスクを記入する※
  5. 全体を眺めて修正点があれば修正する

※親タスクと子タスクは線でつなぎ、関係性をはっきりさせる

より作業を効率化したい場合は、WBS用のテンプレートを用意しましょう。社内独自のテンプレートを自作するほか、無料のテンプレートを探して活用するといった方法が考えられます。

管理ツールの導入を検討する

WBSをより効率的に作成するためには、管理ツールの導入がおすすめです。WBSの運用を前提に開発されたツールを活用することで、作業時間の短縮化や業務の品質向上を期待できます。

自社の予算やツールの使い勝手、必要な機能などを参考にして、自社にあったツールを検討してみてください。

まとめ

WBSは、プロジェクト完了に必要な作業を分解して構造化することで、プロジェクト管理を効率化するツールです。
煩雑になりがちなタスクを整理できるため、作業の抜けや漏れを防止して、クオリティの高い作業進行の実現に役立ちます。

はじめてWBSに取り組む場合は、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。そのため、効果を感じにくいケースも出てくると思います。 しかし、WBSをくり返し活用することで、徐々に作業効率が高まりプロジェクト管理をやりやすくなるはずです。ぜひ本記事を参考にしていただき、WBSを自社の業務効率改善に生かしてください。

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