プロジェクトマネージャーになるため、あるいはプロジェクトマネージャーとしてキャリアアップするためには、資格の取得がおすすめです。とはいえ、「どんな資格を取ればいいの?」という疑問を抱えている方もたくさんいるでしょう。そこで今回は、プロジェクトマネージャーが資格を取得するメリットやデメリット、それからプロジェクトマネージャーにおすすめの資格について詳しく解説していきます。
プロジェクトマネージャーに資格は必須なの?
プロジェクト全体の指揮を執るプロジェクトマネージャーは、責任重大な仕事です。求められる知識やスキルも多岐に渡るため、「資格が必須なのでは?」と思っている方もいるでしょう。ただ、プロジェクトマネージャーは資格が必須な仕事ではなく、専門的な知識やスキル、経験があれば無資格でも従事できます。とはいえ、資格を持っていると様々な面で有利に働くことは間違いありませんので、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップを目指している方は、今回紹介する資格の取得にチャレンジしてみてください。
プロジェクトマネージャーが資格を取得するメリットは?
では早速、プロジェクトマネージャーが資格を取得するメリットについて詳しく見ていきましょう。
専門性をアピールできる
先ほども解説したように、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の指揮を任されるため、責任重大です。このようなことから、クライアントも企業側も、経験や知識、スキルのある人材にプロジェクトマネージャーを任せたいと考えます。資格を持っていることで、専門的な知識やスキルを持っていることを証明できます。また、企業やクライアントからの信頼度が高まり、専門性をアピールできるようになりますので、大きな案件のプロジェクトマネージャーに抜擢される可能性が高くなります。
様々なトラブルにも冷静かつ迅速に対応できる
プロジェクトマネージャー関連の資格に限った話ではありませんが、資格というのは所定の知識とスキルを持つ方だけに認定されるものです。資格を取得しておくことによって、様々な知識やスキルを身につけられるようになりますので、現場でトラブルが起こった際もスムーズに対処できるようになります。
転職にも有利
プロジェクトマネージャーとしてのキャリアアップを目指している方の中には、転職を検討している方もいるでしょう。今よりも条件が良い企業、今よりもさらに規模が大きな案件を取り扱っている企業に転職をすることによって、効率的に自分の知識やスキル、経験を積み上げられるようになります。資格を取得することによって、転職先企業からも能力を認めてもらいやすくなりますので、内定率を上げられるだけでなく、より良い条件で働ける可能性も高くなるのです。
プロジェクトマネージャーが資格を取得するデメリットは?
では次に、プロジェクトマネージャーが資格を取得するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
必ずしも資格が活きるとは限らない
プロジェクトマネージャーとしてキャリアアップをする上では、資格が役立つことも多々あります。例えば、「資格を持っていたことが評価され、大きな案件を任された」・「資格勉強で得た知見を活かして、トラブルを対処できた」というケースも多いため、総合的に見るとメリットが多いです。ただ、必ずしも資格が活きるとは限らず、「資格を取得したけど、全然意味がなかった」と感じてしまうケースもありますので注意しましょう。
時間とコストがかかる
プロジェクトマネージャー関連の資格を取得するためには、ある程度の勉強量が必要になってきます。とはいえ、毎日仕事がありますから、学生のように1日中勉強するというのは不可能です。プロジェクトマネージャーとして働きながら、あるいはSEやPLとして経験を積みながら資格の勉強をするためには、起床後や帰宅後、休日などの時間を有効活用しなければなりません。場合によっては、「自分の時間がほとんど取れない・・・」という状態に陥ってしまうこともありますので注意が必要です。
また、資格は無料で取得できるわけではなく、教材費用や受験費用がかかります。資格取得後の金銭的メリットを考えれば、効率の良い初期投資と言えますが、短期的に見るとかなりまとまった費用が必要になるケースもありますので、予算としっかり相談しておきましょう。
プロジェクトマネージャーが持っておくと便利な資格って一体どれ?
では早速、プロジェクトマネージャーが持っておくと便利な資格をいくつか紹介していきます。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験はIPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理分野におけるプロジェクトマネジメントの知識や技能を測定・ITスキル標準のレベル4に相当する、比較的レベルの高い国家資格です。
PMP®
PMP(Project Management Professional)は、米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定するプロジェクトマネジャーの資格です。PMP認定を取得することで、プロジェクトマネジメントにおいてグローバルスタンダードであるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)を習得し、プロジェクトの成功に必要な知識やスキルを身につけることができます。プロジェクトマネジメントに関する知識やスキルを問う約200問の複数選択式試験に合格することが必要です。試験の内容は、PMBOKに基づいたもので、プロジェクトマネジメントのプロセス、プロジェクト統合、スコープ管理、スケジュール管理、コスト管理、品質管理、人的資源管理、コミュニケーション管理、リスク管理、調達管理、ステークホルダー管理などに関する知識やスキルが問われます。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は情報処理技術者試験のうち、初級の資格試験です。一般的には「基本情報技術者試験」と呼ばれますが、正式名称は「情報処理技術者試験基本レベル(FE)」です。情報処理技術者試験の中でも初級の試験であるため、プログラミング言語やデータベース、ネットワークなどの情報処理技術に関する基礎的な知識を持っていることが必要です。これは、IT業界における入門資格としても有名ですが、合格率は20%から30%前後です。
応用技術者試験
応用技術者試験は情報処理技術者試験のうち、中級の資格試験です。正式名称は「情報処理技術者試験応用情報技術者試験(AP)」と呼ばれます。問題は基礎情報技術者試験を発展させたものとなりますが、出題数が増え、尚且つ問題のレベルも上がりますので、しっかりと準備をしておかなければなりません。また、プロジェクトマネージャー試験をはじめとする高度試験の一部が2年間免除されますので、気になる方は是非挑戦してみてください。
P2M資格試験
P2M資格試験は、プロジェクトマネジメント協会が認定している資格です。この資格を取得することによって、プロジェクトマネージャーとして知識やスキルを深められます。現代においては、IT企業の社員や経営者だけでなく、製造業や建設業の事業責任者や管理者からも人気を集めています。
PMOスペシャリスト認定資格
PMOスペシャリスト認定資格は、PMO業務(プロジェクトマネジメントオフィス)において必要な知識やスキルを学べる資格です。プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)における業務を専門的に行う人材のための資格認定試験です。PMOの設計、構築、運営、改善、評価などの業務に関わる知識やスキルを証明することができます。
資格難易度はそこまで高くなく、PMOに関する基礎知識が身についている方であれば合格できるものとされていますので、初めて資格取得に挑戦する方にもおすすめです
まとめ
プロジェクトマネージャーは、高度な専門知識やスキル、経験があれば無資格でも挑戦できますが、さらなるキャリアップを図りたいと考えている方には資格取得がおすすめです。資格を取得することによって、信頼を得られるだけでなく、現場で発生したトラブルもスムーズに解決できるようになります。とはいえ、プロジェクトマネージャーに関連する資格にはいくつかの種類がありますので、「どれを取得すればいいの?」となってしまっている方もたくさんいるでしょう。そのような方は、今回紹介したことを参考にしながら、自分の目的やレベルにマッチしている資格を探してみてください。